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長距離フライトでコンタクトレンズ着用者が機内で用意すべきもの

機内の相対湿度は20%を下回るのが基本です。ボーイング787やエアバスA350のような新型機体は湿度を15~25%まで引き上げていますが、旧型機体の客室では4~7%、コックピットや1等席区域ではそれよりも低い数値が測定された例が報告されています。コンタクトレンズは涙液膜の上に乗った薄い膜であるため、この程度の乾燥度でも水分を奪われやすく、米国眼科学会(AAO)は長距離フライトで眠る可能性がある場合はレンズを外すよう勧告しています。レンズ利用の旅行者が何を用意し、どんな順序で対応すべきか、液体持ち込み規定も含めて整理します。

機内湿度はどれくらい低いのか

ボーイング787は、前世代機の4~7%の湿度を15~25%まで引き上げたとしています。逆に、旧型機体や混雑していない高高度飛行では、湿度が1%まで下がる場合も報告されています。コックピットやクルー区域は通常2~3%で、サハラ砂漠より乾燥しているという測定値もあります。

湿度が低いと涙液膜の水分層が先に蒸発し、レンズはこの水分を目から再び引き込んで補おうとする性質があるため、着用者は非着用者より乾燥感を早く感じます。座席クラスや機体の年式にかかわらず、4時間を超える区間であれば対応が必要な条件と考えてよいでしょう。

レンズを外すべき状況とその理由

米国眼科学会は、眠る可能性があるフライトではレンズを外すよう案内しており、レンズを着用したまま眠ることは眼感染のリスクを6~8倍高めると述べています。起きていても涙液膜が安定しない状態では、レンズ着用自体が不快感を増大させます。

レンズを外す際は必ず消毒済みの保存液が入ったレンズケースに保管する必要があり、コップに入れておくのは、乗務員がコップと思ってレンズごと片付けてしまった事例があるため避けるべきです。水に浸すのも禁物で、水は無菌状態ではなく国によっては細菌がいるため、深刻な眼感染につながる可能性があります。

このため、レンズ着用の旅行者は度付きメガネを必ず機内持ち込み用のバッグに入れることを基本とすべきです。

保存液・人工涙液の機内持ち込み規定

レンズとレンズケース自体は液体に該当しないため、個数制限なく預け入れ・機内持ち込みのどちらにも入れられます。問題は洗浄・保存液と人工涙液です。仁川空港基準では、液体・ジェル類は個別容器100ml以下で、1リットルの透明ジッパー付き袋1つにまとめて入れることで機内持ち込みが可能になり、これは国際線の大半の空港で共通して適用される基準です。

米国TSAも同様に、コンタクトレンズ保存液と再湿潤液を液体として分類し、3.4オンス(100ml)以下の容器・ジッパー袋規定を適用します。ただし、医学的に必要な場合は100mlを超えていても検査場で申告すれば持ち込みを許可するとしており、最終判断は現場の保安検査官にあり、アラームが出る成分であれば通過できない場合もあると明記しています。TSAは100mlを超える保存液は預け入れ荷物に入れることを推奨しています。

市販の保存液はほとんどが240~355ml級の大容量で、100ml規定を満たしません。旅行前に100ml以下の小容量製品を別途購入するか、小分け容器に移し替えることで、検査場で引っかかる問題を避けられます。

品目液体規定の適用備考
レンズ単体(ワンデー含む)非適用個数制限なし、預け入れ・機内持ち込みどちらも可
レンズケース(空のもの)非適用ジッパー袋に入れなくてよい
保存液・洗浄液適用容器100ml以下、1リットルジッパー袋1つ
人工涙液(1回使い切りタイプ)適用除外として通過する場合が多い個包装自体が小容量のため実務上問題になるケースは少ない

保存液が漏れる事故に備えて、もう1本余分に用意しておくこともAAOの勧告に含まれています。

旅行用小容量のレンズ湿潤液はCoupangで15ml級のものが購入できます。

機内で使う人工涙液の選び方

レンズを着けたまま飛行中に対応するなら、防腐剤の入っていない1回使い切りタイプの人工涙液が基本です。ナムウィキの人工涙液の項目にまとめられている通り、防腐剤(塩化ベンザルコニウム)入りの多回使用製品は1日の使用回数を4~6回に制限する必要がありますが、防腐剤なしの1回使い切り製品は必要な時にもっと頻繁に使用できます。

高麗大学安岩病院眼科教授の見解を引用した資料によれば、人工涙液の1日の適正使用回数は2~6回で、最大8回までは問題ないとされていますが、これは防腐剤入り製品に該当する数値であり、防腐剤なしの1回使い切りタイプはこの制限から自由です。長距離フライトのように6回以上の点眼が必要になる可能性がある状況では、1回使い切りの個包装タイプを選ぶことが規定にも、目の刺激予防にも適しています。

防腐剤なしの1回使い切り人工涙液はオリーブヤングで個包装製品が購入できます。

ワンデーレンズへ切り替える選択肢

フライトが多かったり長距離区間が含まれる日程であれば、旅行期間だけワンデー(1日使い切り)レンズに切り替えることも検討に値します。ワンデーレンズは毎日新しいレンズに交換するため保存液自体が不要になり、液体持ち込み規定から自由になります。眼科学会の資料でも、時々しか着用しない人には使い捨てのデイリーレンズを勧める場合が多いと説明しています。

これまで2週間・1か月タイプのレンズを使っていた人であれば、旅行日程に合わせてワンデーレンズを別途処方してもらい用意する方法が、荷物の量と検査場を通過する時間の両方を減らす方法になります。

出典:Simple Flying: The Boeing 787's Unique Cabin Design That Reduces Jet Lag

出典:ALPA: While Humid Conditions May Impact Aircraft Performance

出典:American Academy of Ophthalmology - Eye Care Tips for Travelers

出典:American Academy of Ophthalmology - Glasses & Contacts

出典:TSA - Contact Lenses

出典:仁川国際空港 - 携帯持ち込み制限物品案内

出典:ナムウィキ - 人工涙液

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